社会人が3DCGを学ぶには?3つの勉強方法を解説
社会人が3DCGについて学ぶにあたって、最も大きな懸念となるのは時間の確保でしょう。
毎日仕事で忙しい社会人は、どのような方法で3DCGの勉強をすれば良いのでしょうか?
それぞれの方法のメリットやデメリットも踏まえながら、社会人でも効率良く学べる3DCGの勉強法を見ていきましょう。
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社会人が3DCGを学ぶ方法
独学
独学は本や動画を教材として、自分で勉強を進めていく方法です。自分で時間の調整ができる上に授業料がいらないので、最も出費を抑えられる勉強方法です。
独学のデメリットは、専門知識のある人から直接アドバイスを受けたり、質問ができない点です。自分の作品を批評してくれる人がいないことが、独学の大きなデメリットです。
指導してくれる人がいない環境では、当然ながら学習スピードは遅くなります。できるだけ早く3DCGの技術を習得したいという人は、他の方法を検討することをおすすめします。
オンラインスクール
オンラインスクールを利用する最大のメリットは、時間や場所を制限されないことです。インターネットに接続できる環境さえあれば、自分の好きなタイミングで3DCG制作について学ぶことができます。
自宅から通える範囲に専門学校やスクールがない方や、時間の融通が利かない方にとっては非常に便利です。
ただし、一般的にはオンラインスクールは修了率が低いと言われています。オンラインスクールは自分のペースで学ぶことができる反面、モチベーションを維持しにくいことが要因として考えられます。
また、オンラインスクールでは知識や技術は習得することができますが、創造性や感性を磨くことは難しいと言われています。
とはいえ、時間に制約のある社会人が気軽に3DCG制作を学ぶなら、オンラインスクールは効率的な学習方法と言えます。
夜間や週1のスクール
3DCGの技術を就職に生かしたいと考えている人におすすめの勉強方法は、夜間や土日のスクールに通うことです。
3DCGの学習では知識を詰め込むだけではなく、学んだ技術や知識を活かして自身の作品を制作するところまでが重要な学習になります。
学校によっては、就職活動の対策として専門の講師による指導のもとでポートフォリオ(作品集)を作成することができます。
学習時間は全日制の専門学校ほど多くはないので、自主学習によって学びを深めていく必要はありますが、仕事との両立ができるなら最も効率的な学習方法と言えるでしょう。
社会人におすすめの3DCGの学校
夜間や土日などに社会人でも通学可能な3DCG専門の学校は、東京都内でもそれほど多くありません。
以下の4校に関しては、通い方や学習内容が大きく違いますので、資料請求をしてじっくりと比較検討することをおすすめします。
代々木アニメーション学院
アニメーターや声優など、アニメ分野で多くの人材を輩出してきた代々木アニメーション学院では、3DCG制作についても学ぶことができます。
社会人の方であれば、夜間や休日に開講される週1コースで仕事と両立して学ぶことができます。週1コースは、週に1回2時間の授業を半年間受けられる短期コースです。
学習に使用するソフトウェアの「3ds Max」は、アニメや映像コンテンツで広く使用されています。
学習内容としては、モデリングやテクスチャなどの基礎から、実践的なアニメーションの実習まで、3DCG制作に必要な知識や技術が習得できるようなカリキュラムとなっています。
社会人でも通える3DCGのコースは一つしかありませんが、短期間で基礎を学べる上に、他の専門学校に比べて費用も安いです。そのため、3DCG制作を気軽に始めてみたいという人にとっても魅力的な学校の一つです。
3DCGの学習を始めたいけど何から始めればいいのか迷っているのであれば、代々木アニメーション学院を検討してみるとよいでしょう。
学校名 | 代々木アニメーション学院 |
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学科・コース | 3DCGコース |
授業回数 | 週1回×2時間(計20回) |
通学期間 | 6ヶ月 |
学費 | 132,000円 |
校舎 | 東京 |
就職サポート | 要確認 |
欠席サポート | 要確認 |
ソフト | 3dsMAX |
カリキュラム |
ソフト基本操作 / モデリング基礎 / マテリアル基礎 / マッピング基礎 / ライティング基礎 / レンダリング基礎 / アニメーション基礎 / CG作品制作実習 |
※2024年10月時点の情報です。
※学費は別途入学金33,000円が必要です。
総合学園ヒューマンアカデミー
総合学園ヒューマンアカデミーは、IT系やクリエイティブ系、ビジネス・ライセンス系、ウェルネス系など様々な分野の教育を提供している学校です。
全国に校舎を持ち、東京以外の地方でも高い水準の教育を受けられることが特徴です。
社会人が通える夜間コースでは3DCGに関連した10のコースを設けており、学びたい内容をピンポイントで学べる環境になっています。
例えば、業界でよく利用されている3DCGソフト「Maya」について学ぶコースもあれば、近年注目を集めている3DCGソフトの「ZBrash」について学ぶコースもあります。
それぞれの3DCGソフトは得意とする作業に違いがあるので、業種や企業によって使われている3DCGソフトも異なります。
Mayaは非常に需要が高い3DCGソフトですが、ZBrushはあまり一般的ではありません。ZBrushの使い手がまだ多くいないため、それを習得することは自身の強みとなる可能性もあります。
総合学園ヒューマンアカデミーでは、学生が自分の学びたい領域を選択できる環境が整っているため、3DCG制作の初心者の方であっても、スキルを向上させたい経験者であっても、効率的に学習することができます。
学習する3DCGソフトを選択できるという点は、忙しい社会人にとって大きなメリットといえるでしょう。
学校名 | 総合学園ヒューマンアカデミー |
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講座 | UNITY講座 / 3DCGデザイナー養成講座 / 3DCGアニメーター養成講座 / ZBRUSH講座 / MAYA基礎トレーニング / ZBRUSH講座 / SUBSTANCEPAINTER講座 / MAYA中級講座 / CGポートフォリオ対策講座 / エフェクトデザイン講座 |
授業回数 | 週1回×3時間 |
通学期間 | 3ヶ月〜1年 |
学費 | 162,800〜732,600円 |
校舎 | 札幌校 / 仙台校 / 横浜校 / 秋葉原校 / 大阪校 / 京都校 |
就職サポート | 〇 |
欠席サポート | 〇 |
ソフト | 3dsMAX / MAYA / ZBrush |
カリキュラム |
モデリング / テクスチャ / アニメーション / Zbrush / コンポジット |
※2023年5月時点の情報です。
※学費は別途入学金33,000円が必要です。
※講座によっては教材費や実習費が別途必要になります。
専門学校 HAL東京
HAL東京は実践的なカリキュラムで3DCGについて学べる専門学校です。特にゲームの分野では高い実績を残しており、ゲーム業界への就職に強いという声もあります。
全日制の専門学校と同様に手厚い就職サポートを受けることができるので、転職を希望する人にとっても安心して学べる環境が整っています。
ただし、HAL東京は他の学校と違って、平日週3回の夜間通学を2年間続けなくてはいけません。週3日となると仕事との両立はかなりハードです。
場合によっては専門学校に通うために、転職や退職を考えることになるかもしれません。
また、HAL東京は夜間であっても、2年間で100万円近くの学費が必要です。
カリキュラムや就職支援は充実していますが、通学回数の多さや学費の高さを考えると、社会人が仕事と両立できる学校とは言い難いところです。
学校名 | 専門学校 HAL東京 |
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学科・コース | CG映像学科 夜間部 |
授業回数 | 平日週3回×2.5時間 |
通学期間 | 2年間 |
学費 | 約90万円 |
校舎 | 東京 / 大阪 / 名古屋 |
就職サポート | 〇 |
欠席サポート | 要確認 |
ソフト | Maya |
カリキュラム |
モーショングラフィックス / 3DCGベーシックトレーニング / キャラクターアニメーション / エフェクト / 映像合成コンポジションワーク |
※2024年10月時点の情報です。
※学費は別途入学金50,000円が必要です。
※教材費が別途必要です。2024年度の教材費は18,500〜28,500円(学科により異なる。)
デジタルハリウッド
1994年10月に設立されたデジタルハリウッドは、デジタルコンテンツ制作の教育の先駆けとして知られています。特に3DCGの技術を専門的に学べることで評判です。
デジタルハリウッドは、デジタルハリウッド大学やデジハリオンラインという学校名でもスクールを開講しています。
今回ご紹介するデジタルハリウッドは、未経験者でも週1回1年間の学習を経て、就職に必要な知識と技術を習得できるスクールです。ただし、修了するためには70%以上の出席が必須になります。
デジタルハリウッドは全国に校舎を展開していますが、現時点では3DCGデザインを学べるのは東京校と大阪校のみです。
コースによっては入学時に選抜試験がありますが、未経験者であっても入学可能です。
ただし、仕事を辞めて入学する学生も多いため、仕事との両立を考えている人はハードな生活を覚悟しておく必要があります。
学校名 | デジタルハリウッド |
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学科・コース | 3DCGデザイナー専攻 |
授業回数 | 週1回 |
通学期間 | 1年間 |
学費 | 990,000円 |
校舎 | 東京 / 大阪 |
就職サポート | 〇 |
欠席サポート | 〇 |
ソフト | Maya |
カリキュラム |
CG基礎 / CGモデリング / CGレンダリング / 映像編集演習 / 2Dグラフィックス演習 / CG概論 / 3DCG静止画課題 / CGアニメーション基礎・応用 / ストーリー設定 / モデリング応用 / アニメーション応用 / レンダリング応用 / フェイシャルアニメーション / スキニング / ヘアー / 実写合成 映像編集応用 / コンテンツプロデュース授業 / 卒業課題制作 / 自由作品制作 |
※2024年10月時点の情報です。
※学費には入学金を含みます。
※別途ソフトの購入が必要な場合があります。
社会人でも通いやすい学校の選び方
社会人が仕事と勉強を両立することは、予想以上に大変なことです。特に3DCGという分野は、幅広い知識と高度な技術が求められるため、中途半端な学習では習得することが難しいです。
3DCGの技術を習得するためには、最後まで学習を継続することが重要です。そのため、専門学校を選ぶ際には以下の点に注意しながら検討することをおすすめします。
進路にあった3DCGソフトで学ぶ
3DCGデザイナーとして就職や転職をする際には、会社が特定の3DCGソフトの使用経験やスキルを求める傾向があります。
「Mayaや3ds MAXにおけるモデリング・アニメーションができる方」といったような募集要項を目にする機会が増えるでしょう。どのソフトで3DCG制作を学んだのかということが、卒業後の進路に大きく影響してくることになります。
国内の3DCG制作で使用されることが多いソフトは、Mayaや3ds MAXです。その他にも、ZBrash(ズィーブラシ)やHoudini(フーディニ)なども、注目度の高いソフトです。
まずは自分の目指す業界では、どのような3DCGソフトが多く使われているのかを見ておくと良いでしょう。
将来的に就職したい業界がまだ決まっていない人は、Mayaや3ds MAXについて学んでおくと選択肢が広がるでしょう。
進路にあったカリキュラムで学ぶ
3DCGの制作現場では、様々なプロフェッショナルが協力して制作工程を進めることが一般的です。
モデリングや色彩・テクスチャー表現、最終的な映像合成など、それぞれが専門分野に特化して作業します。
それぞれの工程を担うクリエイターは個別の職種として分類されており、就職の際には職種別に募集が行われることもあります。
3DCG制作を学びたいと考えている人の中には、基礎から全ての工程を学びたい人もいれば、特定の専門分野に特化したい人もいるでしょう。
特に、社会人は時間が制限されているため、無駄のないカリキュラムの学校を選ぶことが非常に大切です。
カリキュラムの詳細を知るには、資料請求を行うと良いです。学校から提供される資料には、ホームページには掲載されていない詳細な情報が含まれていることが多いです。
また、オープンキャンパスや学校見学を利用して、カリキュラムや授業内容について質問してみると良いでしょう。
授業頻度と就学期間
社会人が専門学校を選ぶ際に必ずチェックしておきたいポイントは、何時間の授業を週に何回、どの程度の期間続ける必要があるのかということです。
仕事を辞めない限りは、社会人は仕事が中心の生活になります。そのため、どの程度の通学頻度であれば、最後まで通うことができるのかを最初に考えておくべきです。
学校で習ったことを自宅で復習する時間や、通学にかかる時間も考慮しておきましょう。
3DCG制作を学ぶ上で最も大切なことは、最後まで学び切ることです。入学前には、最後まで通うことができるかどうか、シュミレーションをしておきましょう。
校舎までのアクセス
学校の立地も、学習を最後まで続けるために重要な要素となります。職場や自宅からの通学に無理がないかを確認しておきましょう。
また、駅からのアクセスも重要なチェックポイントです。アクセスが悪い駅や、駅からの徒歩時間が長い学校は、モチベーションの低下につながる可能性もあります。
無理なく通える立地条件かどうか、事前に確認しておくことをおすすめします。
就職サポートの有無
忙しい社会人であっても通学制の学校で3DCGを学ぶべき理由の一つは、就職サポートを受けられるからです。就職サポートは、独学やオンラインスクールではなかなか受けることができません。
就職サポートでは、就転職についての相談ができたり、就活の際に必要なポートフォリオ制作についてアドバイスをもらうことができます。
特にセカンドキャリアを考えている方にとって、就職サポートの有無は重要なポイントになるので、具体的な内容を事前に確認することをおすすめします。
学費に無理がない
当然のことながら、学費が払えないと授業を受け続けることはできません。また、その学費を捻出するために仕事やアルバイトを増やすと、学習に費やす時間が減ってしまい本末転倒です。
そのため、学費の負担が軽く、無理のない学校を選択することが重要です。
とはいえ、夜間や週末の講座でも学費サポートを行っている学校も少なくありません。
学費サポートをうまく利用することで、志望する学校に無理なく通える場合もあります。
学費サポートの詳細は学校資料に詳しく掲載されていることが多いので、事前に確認しておくと良いでしょう。
授業の振替制度がある
社会人の場合、急な残業などで授業に出れないこともあるので、その場合の対応策が必要です。
授業の振替制度や補習授業など、参加できなかった授業のフォローアップがあるかどうかを確認しておきましょう。
ただし、短期間の講座の場合は、このような措置が無い場合も多いです。
また、授業の振替制度がある場合でも、学校によっては修了にあたって一定割合の授業出席が必要とされる場合もあります。このような規定についても確認しておくことが大切です。
夜間や短期で通える3DCGの学校のメリット
夜間や短期で学べる3DCGの学校は、全日制の専門学校とは異なる点が多いです。
ここからは、夜間や短期で通える3DCGの学校のメリットについて具体的に見ていきましょう。
仕事と両立できる
夜間や短期の学校のメリットは、仕事との両立が可能になることです。
全日制の専門学校に通うとなれば、勉強のために仕事を辞める必要があります。
一方、夜間や週一の学校であれば、仕事を続けながら3DCG制作の勉強を始めることができます。
両立ができると、専門学校が自分に合わないと感じたり、転職が上手くいかなかった場合でも、今の仕事をそのまま続けることができます。
また、仕事をしながら学ぶことで収入が途切れないため、経済的な負担も少なく学習を進めることができるというメリットがあります。
学費が安い
夜間や週一の学校は、通常の専門学校や大学に比べて授業時間が少ないので、学費を安く抑えることができます。
学費があまりにも高額だと、学校へ通うことに躊躇することもあります。
しかし、夜間や短期の学校では比較的学費が安く設定されているので、 学校に通うべきかどうか迷っている人にとっては学習をスタートしやすいでしょう。
授業時間が少ない
夜間や短期の学校は、仕事や学校との両立が可能なように授業時間をあまり多く設けていません。
必要な知識やスキルを効率よく習得することができるため、時間の制約がある方にとっては非常に魅力的な選択肢となります。
少人数制のクラスが多い
夜間や短期の学校では、少人数制クラスで授業が行われることが多いです。そのため講師との距離が近く、わからないことをすぐに質問できるアットホームな環境が特徴です。
少人数制のクラスでは生徒一人ひとりがサポートを受けられるため、効率良く学習を進めることができるでしょう。
また、夜間の専門学校には、社会人として普段は仕事をしている人が多く通っています。
転職やキャリアアップを真剣に考えている人たちが多く集まっており、学びに対する意欲も高いです。
このような環境では、周りの刺激を受けながら自身のモチベーションを高めることができるでしょう。
夜間や短期で通える3DCGの学校のデメリット
社会人にとって夜間や短期の学校には様々なメリットがありますが、当然ながらメリットばかりではありません。
ここからは夜間や短期で通える3DCGの学校のデメリットを確認していきましょう。
授業スピードが早い
3DCG制作は全日制の専門学校であれば2年間かけて学ぶ内容ですが、夜間や短期の学校では同じような内容を週1回程度の授業時間で学ぶことになります。
必然的に授業の進行は速くなるので、人によっては授業についていくのが難しいと感じるかもしれません。
そのため、授業で教わった内容をクリアにしていくためには、自主学習が非常に重要になります。自主学習の時間を確保するために仕事をやめる人も少なくありません。
学校の授業にだけ出ていれば、3DCG制作のスキルが確実に身に付くわけではありません。
自主学習の重要性を理解し、授業で学んだ内容をしっかりと吸収するために努力する必要があります。
計画的な学習スケジュールの立て方や、自己管理の能力も重要になってきます。
両立が大変
3DCGの勉強と仕事を両立させるのは大変なことです。3DCGの勉強のために仕事のスケジュールを調整するのが難しいこともあるでしょう。
しかしながら、3DCGの制作には幅広い知識と技術の習得が必要です。学校での授業以外にも、自宅での自主学習も必要になります。
仕事と勉強を両立させてやりきるためには、強い意思とモチベーションが必要になります。
3DCGの技術を身に付けてどのような仕事に就きたいのか、将来を明確にイメージしてみましょう。
社会人が仕事と3DCGの学習を両立させることは容易ではありません。一方で、これから先あらゆる業界で3DCGクリエイターの需要が高まることが予想されます。 今から学習をスタートすることは、将来の可能性を大きく広げる重要なきっかけとなるでしょう。